遍路用語の基礎知識


発願(ほつがん)
巡礼を始めようとすること。「発願寺」は巡礼を始めた最初の寺。
順打ちなら1番札所の霊山寺。

結願(けちがん)
八十八カ所の札所を全て巡拝し終えること。
「結願寺」は順打ちなら八十八番札所大窪寺。

順打ち(じゅんうち)・逆打ち(ぎゃくうち)
順打ちは1番札所から番号順に巡拝すること。逆打ちは八十八番札所から逆に廻る事。逆打ちは順打ちに比べ、道しるべ等が整っていないため初心者には難しい。このため逆打ちは順打ちの三倍の功徳があると言われている。

打つ
札所に札を納めること。
昔は木製の札を壁に打ち付けた事から 札を収める事を「打つ」と呼ぶようになった。

通し打ち・区切り打ち・一国参り
八十八の札所を巡拝するかたち。
通し打ちは88ヶ所を一気に回ること。区切り打ちは何回かに分けて回ること。一国参りは徳島県(阿波の国) 高知県(土佐の国)、愛媛県(伊予の国)、香川県(讃岐の国)の各国に分けて回ること。

納め札(おさめふだ)
納札(のうさつ)ともいう。
参拝した証に本堂および大師堂に一枚ずつ納める。
また、お接待を受けたときにも挨拶の意味で相手に渡す。
納め札には「参拝日」「住所」「氏名」「年齢」「願い事」を記入する。
ただし住所は個人情報保護の意味から詳しく書かない方が良い。
また、納め札には回った回数により色が変わる。
1回〜4回は白、5回〜7回は緑、8回〜24回は赤、25回〜49回は銀、50回〜99回は金、100回〜は錦。

お接待
四国では「お接待」という風習が根付いている。
お遍路さんをお大師さま、仏様と同じとして扱い地元の人々がお遍路さんに対し食べ物やお賽銭を差し出す。
そのお接待は二つの意味が込められている。
一つは施し。弱者に対する支援の意味。
もう一つは、自分の代わりにお参りして欲しいと言う意味でお賽銭を差し出す。
この様な訳でお接待は断ってはならない事になっている。
また、参拝の際にはお接待を頂いた人々の分までお参りするという気持ちで参拝したいもの。
お接待を受けたら「南無大師遍昭金剛」と唱え納め札を差し出す。

先達(せんだつ)
遍路を何回も重ね、巡拝の道案内や作法の指導が出来る人。
「四国霊場会」に公認された人でなければならない。

遍路ころがし
急な坂道や曲がりくねった道など遍路を苦しめる難所の事。
12番焼山寺や21番太龍寺などがこれにあたる。

お礼参り
無事に八十八カ所を巡拝できたあかつきに高野山の奥の院に報告に行くこと。